若い頃は、気力も体力もあって、「ベストを尽くすって素敵」って思えたけれど、50代を迎えると、さすがにいつもいつも頑張れるわけではありません。
物事には限界があること、自分にも限界があることを、年を重ねていくうちに理解するようになりました。
最近の私は、年齢ゆえの衰えを感じますし、何より更年期の鬱陶しい時期を迎えています。
そういう現実を無視して、「頑張れ、頑張れ」って意地を張って自分を急き立てれば、身も心も疲れ果ててしまうのは当然です。
それで、50代を迎えた今だからこそ、心と体のバランスを取るために、「ベストではなくベターな考え方」をしてみようと思ったんです。
「このくらい出来ているなら良し」とか、「望むほどではないけれど、やらないよりはまし」って具合に、ベストの一歩手前、ベターでも良しとするんです。
この「ちょっとの余裕」を残しておくってことが、今の自分にとっては必要なことだと思っています。
私の場合、プータさんのお世話で、かなりエネルギーが取られてしまいます。
老犬の体調は不安定なので、どんなに気をつけていても、良くなったり悪くなったりの繰り返しです。
その度に、一喜一憂していると、まず心がもちません。
そして、自分の体調を後回しにしてお世話をすると、今度は体がもたなくなってしまうのです。
現実や限界を認めることは悲しいけれど、飼い主が倒れてしまっては、元も子もありません。
「自分を追い詰めないことは大切なこと」とわかってはいたけれど、プータさんがいたからこそ、本当に理解出来たような気がします。
これから先、ますます限界を感じることが増えて「ベストではなくベターな考え方」の出番が増えるかもしれません。
でも、ベストではなくても、怠けているわけではないですし、負けているわけでもないと思うんです。
限界を認めて、ベターな考え方をするとき、自分にも相手にも、結局優しく出来るのかもしれません。
プータさんは言葉を発することなく、日々私に大切なことを教えてくれています。
いつもニコニコ、プータさんと笑い合えるよう、行き詰まりそうになったときは、ギアを落として、ベターな考え方で行こうと思います。
このご時世、誰もが何かしらの問題を抱えて頑張っていると思います。
もしも、頑張ることに疲れたと思っている方がいるのなら、すべてを諦めるのではなくて、ちょっとだけ肩の力を抜いて、ベターな考え方をしてみませんか?
私は不器用で、要領が悪いから、こんな風にわざわざ考えながら進まないと前に行けないのですが、ゆっくりでも前に進んでいれば、自分が想像もしていなかったゴールに辿り着けるかもと思っています。
今日も一日頑張ってはみるけれど、互いを気遣う余裕を忘れずに過ごしていきたいです。