今回はプータさんが水晶体脱臼になったときのお話を書こうと思います。
14歳になってから、目の状態がどんどん悪くなっていきました。
8歳頃から白内障の症状が見え始め、病院で診てもらったのですが、年齢的にしょうがないと言われました。
進行を遅らせるお薬もあると聞いていたので、そういうお薬で対処していくのかと思っていたのですが、先生によって考え方が分かれるところなのでしょうか。
その当時お世話になっていた先生は、おそらく飼い主の経済的な負担にならない事、動物本来の自然な老いを受け入れていくことを、治療の際に念頭においておられたような気がします。
確かに薬で進行を遅らせても治る訳ではないですし、ましてや手術となると、眼科専門の病院で高額の手術代がかかります。
シニアになってからの白内障の手術は、必ずしも回復が見込める訳ではないみたいなので、ワンちゃんにとっても、飼い主さんにとっても悩ましい選択になるようです。
きっとそうした事情を獣医師ならではの視点で、判断してくださったのだと思います。
結果的に白内障は少しずつ進行していき、14歳の時にはかなり白くなっていました。
それでも、全く見えない訳ではなかったので、その時点ではそんなに不自由を感じていませんでした。
ただそんなある日、顔を覗き込むと右目が奥まで透けて見えるような気がして、違和感を感じました。
ビー玉のように向こうが透けて見えるというか、とにかく左目とは明らかに違うんです。
本人は特に気にしている様子はなかったのですが、病院に連れて行って診てもらったところ、水晶体が後ろ側に落っこちていると言われました。
水晶体脱臼です。
水晶体脱臼になる原因はいくつかありますが、白内障がかなり進むことによって、水晶体を支えているチン小帯と呼ばれるものが、完全に断裂してしまったり、一部欠損して脱臼を起こしてしまうそうです。
前方に脱臼すると手術をして取り出したほうがいいようなのですが、後方に脱臼した場合は緑内障にならないよう、注意してみていく必要があります。
私の印象では、視力はほとんど無いように思いましたが、ただ光は感じているようでした。
水晶体脱臼が怖いのは、緑内障に進むことがあるからです。
そんな恐ろしいことを言われても…
この日からプータさんの右目は、いつもプータさんを悩ます、体のトゲのような存在になりました。
人間だったら、水晶体脱臼の手術、普通にやっているんですよね。
犬も出来なくはないようですが、白内障と同じく、専門医の先生にお願いするようになるので、手術を受けさせるのはかなり大変になります。
ただただ、落ちた水晶体が悪さをしないよう祈る日々でしたが、またもや問題発生です。
寝ているときに顔を掻いたらしく、爪が目に当たって角膜に傷をつけてしまいました。
もう負の連鎖の始まりです。(泣)
今まで大きな病気をすることもなく、元気いっぱいで過ごしていただけに、飼い主としては不安で押しつぶされそうでした。
言葉を喋れないワンちゃんにとって、飼い主は自分を助けてくれる絶対の存在で、信頼して身を預けてくれています。
そう考えるとお母さんは負けていられません!
良い飼い主になる、強いお母さんにならなければ!
次回は角膜の傷の治療について書いてみたいと思います。